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いつも生徒たちの体調を気に掛けていただきありがとうございます。
昨今、日用品に含まれる香料はじめ化学物質を吸入することで不快感や体調不良が起こる「香害」が増えており、健康被害を伴い化学物質過敏症(以下、CS)を発症・重症化させる問題でもあります。
教職員の皆様には香害と化学物質過敏症についてご承知おきいただきたく、資料を集めました。
こちらのページをご覧いただき、各ご家庭へも周知とご協力のお願いいただくための周知内容の検討や準備をお願いいたします。
以下の点をまずご理解ください。
- CSは、シックハウス症候群と同様に外的環境刺激に対する健康障害のひとつとされます
- 厚労省の研究で化学物質過敏症状は香料の臭気でも起こることがわかっており病態解明は進んでいるのですが、原因となる化学物質の規制は一向に進む様子がありません。
- CSに理解のない人からは、体調不良を矮小化されたり、差別的な言葉を言われることがあります
- 衣類からの揮発成分が症状発現の原因となる頻度が想像以上に多く、その他のものによるCS症状を出やすくするベースを作っています
- 大手メーカーの抗菌消臭洗剤・香り長持ち柔軟剤・洗濯ビーズ・抗菌消臭スプレーはほぼ「徐放技術」を使用しており、長期間微粒子が広範囲に飛び散り、事態を深刻化させていると医師や研究者は考えています
※徐放技術にはマイクロカプセルなどが使用されますが、メーカーが企業秘密としているために素材や技術が不明確でどのような成分を発生させているか特定できず、大きさもマイクロサイズだけではなくナノサイズの微粒子も含まれていると思われます - 普通に売っている大手メーカーの洗剤と柔軟剤を使用して洗濯するだけでも数十万もの微粒子が衣類や部屋に付着し900種ほどの化学物質が検出されるそうで、いろんなメーカーの商品で洗濯された服が集まる学校や公共施設は夥しい数の微粒子と化学物質が混在します
- 香料を含まない洗剤は徐放技術を使われることが少ないため、無香料の商品の方が揮発する成分の量や種類が減ります
※「消臭」や「無香性」と書かれた商品は香料が使われており、無香料の商品とは違うということに注意が必要です
※柔軟剤は無香料のものでも第四級アンモニウム塩(Quat)が使用されており健康や環境にリスクがあります - 日本は化学物質の使用基準も洗濯剤の成分表示義務も緩く、消費者が調べない限りそのリスクを知ることができません
※非公開のままでもよしとされている部分もあるため、正確な物質名も詳細もわからない商品も多数あります - 無香料商品に対して「体臭や部屋干し臭が消せない」「洗濯物のコンディションが悪くなる」と心配される方もいますが、合成洗剤や柔軟剤の成分残りとすすぎ不足が原因の可能性が非常に高いです
- 子供は体調不良をうまく言葉に言い表せない場合もあり、言葉に出来なくても不快感や不調を感じている生徒がいるかもしれません
- CSを発症すると確立された治療法がなく、原因物質を避けるなど環境の改善がない限り悪化の一途を辿ります
- 子供の場合は悪化も早いですが、環境を整えることで回復も早いようです(後述の渡辺医師談)
以下は、資料へのリンクです。
小さい字でのリンクは出展元を記しておりますので、必要でなければ読み飛ばしていただいてかまいません。
学校へ意見書と要望書
カナリア・ネットワーク全国 …生活用品などに含まれる微量合成化学物質で健康被害(いわゆる香害)を受けている当事者と支援者の全国ネットワーク(2021年発足)
∟ 意見書
∟ 医師からの要望書
先生と各ご家庭の共通認識としていただきたい資料
札幌市 学校における化学物質過敏症・シックハウス対策
∟ 札幌市教育委員会:化学物質過敏症の予防と香りのエチケット
こちらは北海道札幌市内でCS診断ができる病院である渡辺一彦小児科医院の院長が一部監修しています。
CS当事者としては、内容的には良いと思うのですが、当事者ではない多くの人には伝わりにくい部分があるのでは?と思うため、広範囲に影響をもたらしている「香害」について補足する資料が必要と考えます。
先生向けの資料
たくさんあり申し訳ありませんが、これでも絞り込んでおりますので、根気よく目を通していただけると幸いです。
中国新聞 香り付き柔軟剤の「香害」で吐き気や頭痛 医師への相談が増加
∟ 科学ジャーナリストによる記事への補足コメント
日本に新しい公害が生まれています。その名は「香害」 | シャボン玉石けん
NPO法人ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議
∟ STOP香害 -香りで苦しんでいる人がいます-
宝塚市教育委員会 香害と化学物質過敏症について(ご理解・ご協力をお願いします)
∟ 宝塚市 市立小学校・中学校における香害及び化学物質過敏症に関するアンケート結果
厚岸町教育委員会 「香害」及び「化学物質過敏症」に関する実態調査結果
∟ 厚岸町 「香害」及び「化学物質過敏症」に関する実態調査結果報告書
2022・No.1366 月刊保団連 3
∟ 香害で社会生活を 奪われた人々
香害問題をもっと詳しく知りたい場合は、こういった書籍も出版されています
生徒向けの資料
このような内容で保健だよりなど生徒向けのおたよりを作成いただけないでしょうか?
千葉県医師会 県民向け広報誌
∟ 千葉県医師会監修 「香りの害」を知っておきましょう!
世田谷区 知ってください その香り困っている人がいます
∟ いいにおいで具合が悪くなる(小学生向け)
保護者向けの資料
以下のようなことが伝わる内容をお渡ししたいです。
- 成分が広範囲に広がり他の人の健康に影響を与えやすい商品の特徴
- CMや店頭で目につく商品ほど成分が強く拡散しやすい状態になっていること
- 香害については、柔軟剤に関する情報は多いが、抗菌や消臭をウリにしている洗剤や、抗菌消臭スプレー、汗拭きシート、シャンプートリートメント、整髪料などでも体調不良を起こすことがあること
- 大手メーカーは健康被害が起きているのを知っているのに成分や製法を改めないため、CMやパッケージだけでなく商品サイトで成分や香料が含まれていないことを確認してから商品を選んで欲しいこと
- 衣類の汚れも落とせて体や環境への負担も減る無香料商品について
ただ、アプローチを間違うと抗菌消臭洗剤や香る柔軟剤を使うことが当たり前だと思ってらっしゃる方に強く反発されることもあります。あくまで強制ではなく「校内に香害で体調を崩す(CS症状)生徒がいること、これ以上体調不良の症状や頻度を進行させないために、学校へ通い続けられるようにするために各ご家庭のご協力が必要な段階になりつつあるため、次の洗剤を選ぶ際にご一考ください」という姿勢が伝わるようにしたいです。
仮に校内に現在残存する化学物質の種類なり強度なりを1000という数値にしたとして、学校全体では500、CS症状のでる生徒のいる教室では200くらいまでに減らせたら…と願っています。
日本医師会【健康ぷらざNo.508】2018年10月05日 香料による新しい健康被害もー化学物質過敏症ー
日本医師会【健康ぷらざNo.550】2022年01月05日 化学物質過敏症
メーカー聞き取りによる「有害性が指摘されているマイクロカプセルを配合している製品」
このような方向性の発行物を出していただけるか、ご検討ください。
新学期ごとか、4月と10月頃という感じで、年に2-3回ほど生徒向けまたは保護者向けに香害や化学物質過敏症について発行物を出していただけると幸いです。
掲示物
消費者庁 文部科学省 厚生労働省 経済産業省 環境省 作成ポスター
∟ 「その香り困っている人もいます」ポスター
以上、CSの予防のため、すでにCS症状がある生徒の症状を進行をさせないため、校内にいるすべての人たちの健康のために、各ご家庭への周知と空気環境の改善を継続的にお願いいたします。
お忙しいところ、ここまで読んでいただきありがとうございました。
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